ジョイスティックを改造してみる
ジョイスティックの改造作業に関して検索していくと、一度は目にするタイプのスティックがあります。いわゆる痛ステです。
絵に描いたような漢のイメージの質実剛健の道具が、ミスの原因をボタンやスティックのせいにしてバンバン叩けなくなる感じのアレなアイテムに変貌してしまうという...。
しかし、ついにキテしまいました.....。ああ...。
痛車や痛バイクなども流行っていますし、トヨタの公式サイトも迷走を続ける昨今(2011年6月中旬現在)ですが、俺の嫁といえるほどにのめりこんでいるキャラクターがいるわけほどに若くもなく、目撃されてもなにも見なかったことにしてくれるほどに人間関係や親戚関係の希薄な都会にすんでるわけではないわけで、もしやるとするならば、終わったら箱にしまってしまいなかったことにできる、このようなモノがベストだったりします。実にヌルいですが。
これで自分も、晴れて指をさされて哂われる超恥ずかしい側の人種の棲んでる『あちらがわ』へと、旅立ってしまうワケです。どんな分野で何をやるにしても避けては通れない壁というか、むしろ見た瞬間横に避けて通ったほうがいい壁などもありますが、痛ステ製作もその一つではないかと思います。
作業的にも超える壁はいくつもあります。文章で書けば一行や二行でも、実際に形にするまではそれなりの検討時間と実際の作業時間で、写真一枚に一日二日だったりもちろんそれ以上かかってたりします。 思った以上に大変です。
しかしその大変で辛い作業も、終わってしまえば不思議なことに、なんともいえない満足な気持ちになります。やるだけの価値は十分にあります。
今回は作業目標をしっかり決めてからとりかかりました。
上記のとおり、これまでの修理/改造のレベルよりはずっと手間暇がかかっています。
痛ステに関しての是非(趣味)はともかくおいておくとして、製作してみることはいろいろと辛く神経をつかいつつもまた楽しいと思います。
今回は2回に分けてます。まずはケースの加工からです。
JW-CADで天板の図面を引いた。ボタン配置はパネルの寸法を配布しているサイトのものを参考に調整した。小ボタンはアストロ2Pの配置に追加してからレバーを中心に何度か回転させた位置に置いた。
図面を実寸で印刷、カットし、実物に載せてみる。ボタン配置のバランスがしっくりくるまで、修正、印刷、カット、現物合わせを数回繰り返した。
30Φのボタンの右側に、12.5Φの小ボタンの穴を配置する。千石電商で販売されている電子工作用のボタンをL2/R2とする。
ボタンを取り付けたときに、取り付けネジやツメが、ガワに干渉しないか確認する。図面を置いてみるのは主にこの為。
図面がokだったのでDXFファイルを業者に送り、天板をカットしてもらう。プラズマ切断で格安だったが、仕上げ作業が辛いことになる...。
到着したそのままをガワに載せてみる。図面の採寸ミスで下側の両脇の斜めのラインが0.5mm程広めでわずかに隙間がでた以外はピッタリでした。
完成品をイメージするためにレバーボールとボタンを置いてみる。このあとの長い作業を投げ出さないために、なにかしらの『エサ』を用意しておくことは重要です。
これはカットして余った部分。プラズマ切断はガスで溶断するため、切断ラインが黒くコゲます。天板はt1.2のSPCCで製作してもらいました。HORIの天板はt1.0なので若干厚いです。
天板を磨きました。鉄板の錆び防止の切削油が吹いてあったのでパーツクリーナーで落としてから、320/600番相当の『ケンマロン』で磨きました。天板取り付け用の3Φのような小穴はプラズマでは開けられないので、ドリルで開けて棒ヤスリでバリ取りと位置の修正をしました。
プラズマ切断の接触部を鉄板から外すとき若干時間がかかるため、その部分が余計に溶けてダマがついています。ダイソーのリューターのダイヤモンド砥石で磨いてとりました。ヤスリでは全然削れなかったものがあっという間に削れました。最初からつかえばよかった....。
天板の次はガワの加工です。START/SELECTボタンにセイミツの24Φボタンを利用するため、取り付け穴を開けます。赤いホールソーはニコテックのもの。
SELECTボタン取り付け穴を開けます。この位置の下にはなにもないので24Φのホールソーで一発です。位置がずれないようにあらかじめ反対側に1Φのドリルでセンターを開けておきます。
STARTボタンの取り付け穴を加工します。こちらはもともと埋め込み式のHORIボタンがあるのでその為のガイドがあります。これをまずニッパでバキバキと8つに割ってから切り取ります。
裏側。ニッパは刃が駄目になってもいい安物をつかいます。このあとさらにカッターや彫刻等をつかってもう少し平らにしました。次にヤスリで広げるので完璧にしなくてもいいです。
半円やすりを使って穴を整えます。SELECTボタン側はバリ取りをする程度でok。STARTボタン側は24Φのボタンが入るまで、辛抱強く注意深く正円になるよう広げていきます。ガバガバにならないように。
STARTボタン側を拡大。写真でみるとわかると思いますが、余裕が全然ありません。ちょっとでもずれるとボタンのベロが天板に当たったりガワからはみ出たりします。注意ぶかくやらないと失敗します。
SELECTボタン側。こちらもあらかじめボタンを置いてマーキングして、十字を書いてセンターを出してから加工に入ります。
START裏側。若干天板側の斜めの柱状の部分も削れています。見ての通りなのでネジ式のボタンは無理です。ツメ式のものも取り付け方向が限定されます。
SELECT裏側。ギリギリです。セイミツPS-14-Dは取り付けokでしたがサンワだとどうなんだろう..。
(板金とケース加工が)完成しました!!この写真をみるとやる気がムラムラと沸いてきます!!ネジ部を凹ませて平らにする絞り加工は、余った部分で散々試した挙句上手くできなかったので諦めました。
完成しました。
どうでしょうか?RAVF筐体の制限で、6ボタンのうち右端2ボタンはアストロ配置よりは1mmほど下がることになるのですが、十分許容範囲だと思います。小ボタンの位置もバッチリではないでしょうか(自画自賛)?
板金作業が完了したので、この後セイミツにボタンを、amazoneで印刷用のシールラベルとHPの6色カラーインクの発注をしました。板金に比べて楽な作業だろうと完全に舐めてかかっていたボクはここから苦労することになりますが、それは次回の話です。
START/SELECTボタンとして写真に映っている黄色のボタンは、ヤフオクでつい落札してしまった、RAPについてたのを外したセイミツ24Φの挿し込み式の奴です。
ここのだけの話ですが、こういう話をするとセイミツ原理主義者にスネークされる恐れがあるのであまりいいたくはないのですが、セイミツPS-14-Dはガタが非常に多いです。メインで使う30Φボタンの良さのイメージでいるとかなり愕然とします。ホリの埋め込み式の方がずっとマシです...........ヤッヤメテ...ギャー..。